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札幌アップル発:婦人科医師のお話を

平成15年、札幌駅北口前の札幌エルプラザに開業しました。不妊治療をはじめ、思春期~更年期までの女性のサポート役としての産婦人科医師を目指しています。日々の婦人科診療の中で気がついたことや気軽な話題など書いてみたいと思います。

先週、北海道新聞オントナに掲載した記事です。卵巣癌についての話題です。是非、お読み下さい。



最近、子宮頸癌のワクチンが話題になっておりますが、婦人科検診では子宮癌検診に加えて卵巣癌検診も大変重要です。

卵巣癌は60才台前後にピークはありますが、若年を含めてあらゆる年代に発症します。卵巣の大きさは、月経のある女性でおよそ親指の先くらいで、閉経すると小指の先ほどになります。子宮の左右に2個ぶらさがるようにあります。

卵巣に癌が発生しても初期には自覚症状はほとんどありません。下腹部にしこりを感じたり圧迫感や痛みを感じたりといった症状が出てはじめて内科や産婦人科を受診する場合が多いと考えられます。
このため発見時には、癌がお腹の中に広がり進行癌になっていることが多くなります。

医療が進んだ現在も、診断時の卵巣癌の約7割が?期以上の進行癌であるのが現実です。進行癌である?期の5年生存率はおよそ40%以下です。日本で毎年新たに約7500人の女性が卵巣癌と診断されています。つまり1万人に約1人です。また卵巣癌で亡くなる女性は毎年4500人以上になり、全ての婦人科癌の中で最も死亡率の高い疾患になっています。

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卵巣癌のもう一つの特徴は、発癌の原因が明らかになっていないことです。

子宮頸癌はヒトパピローマウイルスの感染、子宮体癌は女性ホルモンであるエストロゲンの過剰が発癌の危険因子と判明しておりある程度の予防法が確立されてきました。

これに対し卵巣癌の原因がはっきりしていませんので予防法がありません。

唯一、排卵を抑制するピルを一定期間服用すると発症率が低下するという報告はあります。ピル使用は避妊だけでなく卵巣癌予防にも効果的と考えられます。
また家族に卵巣癌患者を有する方も要注意です。

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卵巣腫瘍が疑われた場合、超音波検査、MRI、CTなどの画像検査や腫瘍マーカーなどの血液検査をします。

確定診断は手術で腫瘍を切除して病理組織検査をし、良性か悪性か、さらに組織型を確認します。

卵巣癌のほとんどが術後、抗ガン剤治療の対象となります。

卵巣癌検診は、まずは超音波検査で行います。検査前の準備も必要なく時間も短く、痛みもほとんどなく簡単に検査ができます。卵巣の腫れが悪性度や進行度と一致しない場合もありますので是非定期的な受診をお勧めします。
テーマ:健康管理 - ジャンル:ヘルス・ダイエット